過払い金が発生する仕組みについて
今となってはだいぶ世の中にも浸透してきた「過払い金」という言葉ですが、その仕組みまでをしっかりと理解している方はあまりいないのではないでしょうか。
簡単に言えば貸金業者に払いすぎた利息が戻ってくるということなのですが、なぜ利息を払いすぎるようなことになったのでしょうか?
今回は、過払い金が発生する仕組みについてご説明させていただきます。
なぜ過払い金が発生するのか
法律の話になってしまうのですが、過払い金が発生するのは「利息制限法」と「改正前の出資法」が関係しています。
利息制限法というのは、お金を貸し付ける際の利息に制限を設けるための法律です。無制限に利息を取る行為をこの法律で禁止していて、利息制限法の上限利率は15~20%と定められています。
しかし、改正前の出資法では最高上限利率が29.2%と定められていたのです。
出資法も元々は貸金業者の出資金の受け入れの制限や、高利貸しを取り締まるために制定された法律だったのですが、この利率の差がグレーゾーン金利として問題となっていました。
その後、平成18年の法改正によりグレーゾーン金利が廃止された(利息制限法の上限利率に統一された)ことから、今まで多く払いすぎていた利息を返還請求する権利が生じるようになったのです。
こういった法改正の経緯によって、過払い金が発生するようになったわけです。
どの程度の過払い金が見込めるのか
では、実際に過払い金が発生しているとしたらどの程度の過払い金が見込めるのでしょうか。
これには貸金業者との取引期間が関係しています。
簡単な目安ですが、貸金業者とのグレーゾーン金利での取引が5年以上あれば、まず確実に過払い金が発生しています。さらに6~8年で10~50万円以上、10年以上の取引があれば100万円を超える過払いが発生していることもあります。
平成18年に利率が変更されていますから、この年以降に始めた取引は過払いとはなりませんが、それ以前に取引が数年でもあれば過払いになっていることが多いです。
過払い金は利息制限法と出資法の法改正の関係で発生しています。取引期間によっては、かなりの過払い金が発生している場合があります。